Takeshi IMAMURA

今村 健志

Ehime University Graduate School of Medicine

革新的イメージング技術とがんモデルメダカを駆使したがん転移研究

本研究では、全身の高解像度蛍光イメージングが可能なメダカをモデルに、革新的生体イメージング技術を駆使して、がん転移の抑制・治療のための標的分子の同定とそのメカニズムの解明を目指す。具体的には、がんモデル動物として、膵臓特異的にヒトのがん遺伝子と蛍光タンパク質を強制発現させることで蛍光標識された膵がんを発症する遺伝子導入メダカ系統を開発する。さらに、ゲノム編集技術を用いて免疫不全メダカを作製し、蛍光標識したヒトがん細胞を移植することで、ヒトがん細胞の生体内動態を光学的に詳しく観察することができるモデルメダカを開発する。これらモデルメダカのベースに既に開発している血管・リンパ管を含む脈管系をin vivoで可視化できるトランスジェニック系統を用いることで、がん転移と脈管系の関係を調べることを可能にする。

以上のがんモデルメダカの全身観察が可能な光シート型顕微鏡については、液晶アクティブ光学素子を駆使した光シート型顕微鏡を開発し、広い視野において、照明ムラなく、3次元画像構築を実現する顕微鏡を開発する。さらに、液晶アクティブ光学素子に改良を加え、球面収差のみならず、非対称なコマ収差や非点収差を高次で補正可能な補償光学機能を実現し、多光子励起顕微鏡の光源に応用することで、生体組織の不均一性によって生じる屈折率差を補正し、特にZ軸の空間分解能を改善し、メダカ生体深部での蛍光観察を可能にする顕微鏡を開発する。

革新的ながんモデルメダカ、蛍光イメージング技術と光操作技術を統合し、がん転移の形成過程を、広範囲または高分解能で、時空間的にダイナミックに解析し、転移形成に関与する各種分子の中から、がん転移の予防•抑制に有効な標的細胞や分子標的の同定を目指す。がんモデルメダカの飼育水槽に低分子化合物を投与し、マクロレベルでのがん細胞の動態変化を光シート顕微鏡で観察することで、化合物スクリーニングを行い、詳細なシグナル伝達メカニズムの解析を行う。また、同定された標的分子を特定の細胞で不活化させる手段として、光操作を利用する。

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