Mako KAMIYA

神谷 真子

Graduate School of Medicine,The univercity of Tokyo

新しいスイッチング機構に基づく高精度蛍光イメージングプローブの開発

生命現象の解析や病因解明において、「生きている状態の生物試料」における種々の生理活性物質やタンパク質の動態をリアルタイムに観測することは極めて重要であり、このような観測を実現する技法として現在、観測対象分子を高感度に可視化する蛍光プローブを用いた手法や蛍光ラベル化技法が広く汎用されている。しかしながらこれまで、望みの機能を実現する蛍光プローブを狙って開発することは困難であった。
そこで我々は、これまでに培ってきた光機能性蛍光小分子プローブの論理的設計法を生かし、有機蛍光色素の持つ特徴を最大限に引き出すことで、空間精度・定量精度を高めたイメージングプローブを開発する。具体的には、本研究領域が掲げる4つの課題に対するプローブ開発を行い、化学的な側面から本領域研究が目指す分野横断的イメージング技術開発を目指す。下記に主な開発項目例を挙げる。

(1) 分子内スピロ環化平衡、分子間求核付加反応に基づく超解像イメージングプローブ群の開発
これまでに確立した「分子内スピロ環化平衡」に基づく分子設計に加え、細胞内求核分子と蛍光団との「分子間求核付加反応」も新たな光明滅機構として活用することで、環化平衡定数や閉環速度定数などのパラメータを精密に制御した多色・多機能化した汎用性の高い超解像イメージングプローブの創出を目指す。また、光明滅機能を最適化することで、off-targetを低減した高感度・高選択性を備えた超解像イメージングプローブの開発にも取り組む。

(2) 光照射による非平衡状態を利用した定量的生体分子イメージングプローブの開発
最近我々が見出した光照射による分子間求核付加反応の非平衡化現象を活用することで、細胞内の酸化ストレス関連分子の濃度変動を繰り返しかつ定量的に測定可能なプローブを開発する。その他、従来までのプローブでは観察が難しかった生体内分子の可視化を可能とする蛍光イメージングプローブの開発に取り組む。

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