Kohei SOGA

曽我 公平

Tokyo University of Science

SBWにおける生体深部高精細蛍光イメージングシステムの開拓

蛍光バイオイメージングにおいて常に問題となってきた短波長光の使用による退色、光毒性、自家蛍光、とりわけ光散乱損失を回避するため、申請者らは1ミクロンを超える波長域であるOTN(over-1000-nm)近赤外又はSBW(second biological window) において励起と発光を行うことにより実際に数cmの観察深度での蛍光イメージングを世界で初めて実証してきた。 これらの研究開発によってSBWにおける小動物のイメージングが研究者にとって一段と身近になる一方、蛍光イメージングのディマンドとしてさらに明るい蛍光プローブの開発、毛細血管や神経を描出するための高精細化、観察深度を生かした取得画像の三次元化が現在の大きな課題となっている。そこで、本研究ではこれら3つの課題に取り組む。「明るい蛍光プローブの開発」においては、従来開発を行ってきたRED-CNPの組成およびナノ構造最適化に加え、レーザー色素として知られる疎水性色素のプローブ化に取り組む。これによってより明るいプローブが得られる。また、プローブ化においてはナノゲルサイズとナノゲル構造の最適化が明るさを保ったまま所望の太さの血管の描出を可能とする。「毛細血管や神経を描出するための高精細化」においては、高解像度カメラを導入するとともにレンズ系に工夫を加え、現在可能な撮像分解能の大幅な向上を狙う。「観察深度を生かした取得画像の三次元化」においては横田班と共同し、まず比較的単純な共焦点画像取得にチャレンジし、計画の後半では蛍光CT原理に基づく三次元画像の取得に挑む。

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