Hidekazu TSUTSUI

筒井 秀和

JAIST Department of Material Science

局所電場の可視化における新規対象と新規原理の開拓

膜電場は生体分子としての実体はないものの、同様に重要な細胞機能を担う。その役割を詳細に理解するためには、電気生理学手法に加え、膜電場の可視化技術の発展が重要である。近年、興奮性細胞の電気活動を中心に膜電位動態の可視化が可能になりつつあるが、その対象となるのは生体膜に見られる多様な電気現象の一部に限られている。
本研究は、局所電場の可視化技術に関して、「対象の拡張」、「原理の探求」、という二つの研究に取り組む。前者では、エネルギー産生や物質貯蔵の点で重要性が指摘されているにも関わらず安定的な解析手法が存在しない、小胞体膜やミトコンドリア内膜における膜電場を可視化する技術開発に取り組む。これらのオルガネラ膜における電気活動と生理機能、及び病態との関連が解明できることが期待される。後者では、蛍光蛋白質と金属薄膜および粒子との相互作用に焦点を当てた物性研究を行い、細胞生物学への応用の可能性を探求する。

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