Atsushi MATSUDA

松田 厚志

National Institute of Information and Communications Technology

深部と超解像イメージングに向けた次世代色収差補正

顕微鏡画像は、光の色収差によりチャネルごとの位置ズレが生じる。カバーグラス表面とは異なり、深部の観察では色収差が増大し、位置ずれ量は500nmにもなる。色収差は観察する試料ごとに様々であり、事前にその量を正確に知ることは不可能である。深部化、高分解能化する近未来の顕微鏡観察では、色収差による位置ずれ量は無視できない。我々は、この問題を解決する画像取得法と収差補正ソフトウェアを開発した。収差量を事前に知ることは出来ないので、この方法では、観察する生物試料自身を用いた蛍光ビーズ不要の観察方法と、独自の計算方法により色収差補正量を算出する。これにより、10-20nmの精度で3次元の色収差補正を達成した。色収差を正確に補正すれば、二つのタンパク質間距離を光学顕微鏡の分解能を遙かに超えた精度で計測できる。

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